「怒る」「叱る」は違うのかな?
その違いがよくわからない人は多いのではないでしょうか?
「怒る」「叱る」の違いは2つあります。
その違いは、怒る人の理由を見ればわかります。
いつもよく怒る人、よく怒られる人がいたとき。
自分が怒る立場になったり、怒られたりしたとき。
「なぜ、怒る気持ちになるのだろうか?」と
ふと、思うことはありませんか?
「怒り」の感情が起こったとしても、自分の中で納めておくときだってありますよね。
「怒り」を表現しているときは、どんなときなのでしょうか?
何となくぼんやりとしかイメージできていなかった「怒る」ということについて、もう一度、考えてみましょう。
今回は「怒る人の理由」と「『怒る』『叱る』の違い」について問題点も含めてお伝えしますね。
怒る人の気持ちとは
怒る人はどのような気持ちでいるのでしょうか?
「怒り」の感情は、どんなときに発生するのかを考えてみるとわかりやすいですよね。
個人的なことでイライラ(モヤモヤ)している
例えば
- 昨日、家で家族と言い合いになった
- 通勤途中に、電車で足を踏まれた
- 今日の予定が急にキャンセルになった
などです。
今の状況にイライラ(モヤモヤ)している
例えば
- 静かに落ち着いていたいときに、騒々しい場所にいる
- 異臭がする
- 気温や室温の調整が自分の心地よさに合っていない
- 話声が小声過ぎて聞こえずらい人、大声や、かん高い声の人がいる
- 感覚的に苦手な人がいる
などのときです。
思い通りにいかないことにイライラ(モヤモヤ)している
例えば
- 自分が予定していたことが予定通りではなくなった
- 予想ではうまくいくと思っていたことがうまくいかなかった
- 相手はこう言って(やってくれる)くれるだろうと思っていたのに違う言動だった
- 楽しいはずのことが楽しくなかった
- いつもはできることが、今日に限ってできなかった
などです。
怒る側の問題とは
怒る側は、その「怒り」の感情は、自分の感情なのだということに気づくことが大切です。
何も考えずに勢いにまかせてしまうと、つい習性的に行動を起こしてしまいがちです。
人に教える立場になった人はとくに、自分の感情に向き合うことを忘れないようにしたいものですね。
何の悪気もなく勢い余ってしたことが、その立場だからこそ相手を苦しめることにもなりかねません。
そうならないためには「怒る」と「叱る」の違いについて、知っておきましょう。
「怒る」と「叱る」の違いがわかっていない
『「怒る」と「叱る」は違う』ということは知っていますか?
何となくは聞いたことはあってわかっているつもりでも、何が違うのかを具体的には思い浮かびにくいですよね。
わかりやすくするために「怒る」と「叱る」の違いをまとめてみました。
気持ち・感情 | そのときにしがちな行動 | 「怒る」と「叱る」の違い | |
【怒る】 | イライラした気持ち(相手には関係のないことも含む)が湧き上がり、納得のいかない気持ちになる |
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【叱る】 | 情熱を持って相手の落ち度を指摘し、改善しようと忠告をする |
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「怒る」とは
気持ち、感情
イライラした気持ち(相手には関係のないことも含む)が湧き上がり、納得のいかない気持ちになる
そのときの行動
- カッとなって相手に怒りをぶつける
- とにかく、思い通りにいかない状況のモヤモヤを吐き出す(相手に伝える)
「叱る」とは
気持ち、感情
情熱を持って相手の落ち度を指摘し、改善しようと忠告をする
そのときの行動
- つい熱が入り過ぎて、強い口調になりながらも忠告する
- 落ち着いた様子で、相手に忠告をする
以上を見比べて見てどうでしょう?どちらもとてもよく似ていて、実際には区別がつきにくいこともありますよね。
「怒る」「叱る」の共通点と違い
結局「怒る」と「叱る」は、似ているところもあれば、違うところもあります。
似ているところは
- 感情的なところ
感情的といっても
「怒る」は、理由は相手に関係なくても感情をぶつけている状態。
「叱る」は、相手を思うあまりに感情が高ぶってしまい感情的になる状態。
それぞれに特徴が違います。
違うところは
具体的には
- 相手のことを考えているかどうか
- 相手に対して情熱を持っているかどうか
- 冷静に判断や対応できているかどうか
この3つです。
つまり、簡単に言ってしまえば
- 相手のことを考えている(情熱も含む)
- 冷静に対応できている
この2つが「怒る」になくて「叱る」にあることです。
以上のことから「怒る」「叱る」の違いは「相手のことを考え、冷静に自分の感情を処理できているかどうか」だとわかりますよね。
「怒る」「叱る」の問題点
「怒る」ことは、その感情がいけないのではなく、湧き上がった気持ちのまま相手にぶつけてしまうことに問題があるんですよね。
「叱る」ことも、いくら相手のためにと思っていても、自分の抑えきれない情熱をそのままに忠告するのでは受け止められない場合もありますよね。
『「自分は相手を思って叱っているつもり」で間違っていないと思っている』こういう人も多いのだと思います。
一番の問題は「感情を相手にぶつけること」です。
立場上、誰かを「叱る」必要がある場合には自分の感情が落ち着いてから冷静に伝えるようにしましょう。
相手を怒る立場じゃない
それから、そもそも怒るときに言う「忠告」は誰でもが言えばよいものではないですよね。
言われる人がその人の「忠告」を聞こうと思う相手からでなければ、言われている方は「叱られている」のではなく「怒られている」と受け取っているんですね。
自分の感情だけで怒っている
「怒り」は自分の感情です。そのままを相手にぶつけてしまえば、相手を傷つけることもあるし、ケンカにもなります。
相手や周囲を思う気持ちがあるのなら「怒り」ではなく、相手の気持ちに沿った別の方法で「忠告」として伝えることができますよね。
情熱が足りない
相手の気持ちも考えられる情熱を持った人だけが「忠告」をすることができるんです。
何か改善してほしくて誰かに行動してほしいと思ったら、情熱がなければなりません。
情熱を持っていない人の言うことは、何も心に響いてこないからです。
まとめ
「怒り」は誰もが経験のある感情ではないでしょうか。
嫌なことがあると湧きおこってくる感情ですよね。
「怒り」感情の原因は、必ずしも怒られる方の問題とは限りません。
「怒る」と「叱る」の言葉があえて分かれているように、意味も違います。
その2つの違いは
「怒る」は、相手の気持ちに関係なく自分の感情を相手にぶつける態度。
「叱る」は、相手のことを考え情熱を持って接しようとしている。相手の気持ちにも配慮し、熱くなるときもあれば、冷静に伝えることもできる態度。
「相手のためを思って怒っている」と言う人がいます。
世の中には「怒り」の感情についてよくわからないままに「怒る」と「叱る」は同じことだと思っている人が多くいるようです。
「怒る」(本人が叱っているつもりの場合でも)の問題点は感情をぶつけることです。
「怒る」のは、相手のためにはなりません。自分のためでしかありません。
できるだけ「怒り」の感情は他人にそのままぶつけてはいけないのです。
なぜなら「怒り」をぶつけることで、傷つけたり傷つけられることがあるからです。
「怒り」ってすごい力を持っています。良いも悪いも原動力にもなりますしね。
だからこそ「知らない間に傷つく人もいる。それは、なぜなのか?」を知っていきましょう。
たとえ「怒られる人」が未熟で、他の人に迷惑をかけることがあっても、どんな立場の人であっても怒鳴ったり、大声でみんなの前で注意をする権利はありません。「叱る」とはそういうことではないんです。
どんな理由があったとしても「叱られる」ことはあっても、感情的に「怒られる」必要はないんですよね。
怒る人は「自分はなぜ怒っているのだろうか?」ともう一度、一日を振り返ってみるといいと思います。
何かに当たりたい気持ちだけで、感情的に言いやすい相手の弱みをターゲットにしてはいませんか?
「怒る人」も「怒られる人」もそうでない人も「自分の怒り」は自分で鎮めてから、次の行動をしましょう。そして自分の感情と相手の行動は、別の問題なんだと認識していきましょう。