「あの人はいいなぁ」と 誰かを羨ましいと思う。
「どうせ自分は○○だから」と愚痴をこぼしたくなる。
自分が誰かよりも劣っていることが気になってしまっているときはどうやら劣等感を持ってしまっているときなんですよね。
しかし、そういう時はなかなか素直に認められない。周囲の人に劣等感を持ってしまっていることがバレないように明るく振る舞っていたり、強がってしまうんです。自分も何度も感じたことのあることなのでよくわかります。
思えば、子どもの頃から親や学校とかでも何かと比較されること、目の前のことを人より早くできるようになるようにということを考えてきたので、できるできない勝ち負けというような考え方が身についてしまうのは自然な事ですよね。
社会に出てからも会社でも同じ場合もあります。友達関係であっても場合によっては、その感覚から離れられずにいる人も多い気がします。
いつも何かと競って生きていくとどうしても、勝ち負けという概念が生まれてしまいます。
ところが、ちゃんと自分に向き合って素直に自分の思いを感じることが出来たときには劣等感や優越感の存在に気づけるようになります。それは今の自分を変えたいと思うことでもあるんですよね。
劣等感 優越感というものは、実際にはどのようなことを言うのでしょうか?
私が今まで出会った人や、自分自身や他の人とのやり取りで見て感じたことをふりかえって、まとめてみました。
劣等感とは?
劣等感とは、自分が人より劣っていると感じること。物事を勝ち負けで考えてしまうために、自分が相手より負けていると感じた場合に起きる感情ですよね。
劣等感があることによって、どんなことが起きるのでしょうか。
劣等感を持つのはどんなとき?
劣等感を持つときはどんなときでしょうか?
- 誰かより自分が劣っていると感じたとき
- 何をやってもうまくいかないとき
- いつも誰かに注意や、怒られたりするとき
- 人が持っているものを自分は持っていないとき
このような感じではないでしょうか。
一見、誰かを傷つけるわけでもないですし、自分が落ち込むだけで「そっとしておいて自由じゃない?」と思うこともあるかもしれません。
思うことは自由ですが、その感情を持っていると周囲の人にも伝わってしまうんですね。
劣等感は人に伝わる
どういうことか、例を見てみましょう。
劣等感を持っている人がいた場合に、周囲の人の感情の変化や反応はどうでしょうか?
例えば
同じ学校で、あまり良くなかった成績の結果について落ち込んでいたクラスメイトがいたとします。
その状況で、同じクラスメイトであるタイプの違う3タイプの人の対応を見てみましょう。
「その人が決めて行動した結果なので、落ち込んでしまっているのは(その人に湧きおこる感情は)仕方がないのでは?」と、その人自身の問題と思い、そっと見守る。
相手に直接、愚痴をこぼされたわけでもないのに、相手の気持ち感じ取り「気にすることないよ、大丈夫よ」と自分のことのように心配して自分から声をかける。
そういった劣等感を感じた人を見つけるとニコニコした様子で積極的に関わろうとし「残念だったわね、またいいときがあるわよ!」なんてちょっと上から目線でつい言ってしまう。
劣等感に影響される人
この3人のうち、Bさん、Cさんが劣等感を持っている人に積極的に関わりを持とうとして行動しています。
Cさんの優越感が刺激されているような状態にも見えますよね。
Aさんは、自分のことと相手のことを切り離して冷静に判断している行動です。
人と自分の感情をきちんと分けて考えていますよね。
相手に起きている状況や感情を処理できるのは、その人自身でしかないのがわかっているからなんですね。
Bさんは、どうでしょうか?
Bさんは一見、劣等感や優越感を持っているようには見えませんが、劣等感や優越感といった感情の存在を認め、同調している行動です。
Bさん本人は、自分が劣等感や優越感を持っている自覚はないのかもしれません。
ですが、劣等感を持った相手の話を聞いた後にどう感じるか?と言えば劣等感や優越感の概念を持っているBさんにとっては
- 劣等感→自慢に聞こえる(実は、自分の方がもっとできないと感じていることだったとか )
- 優越感→安心感(自分は得意とは思っていなくても、相手よりはましかもとホッとしているとか)
このどちらかにたどり着いて、判断してしまうことになるでしょう。
相手に劣等感を持たせるよりは、優越感を持ってもらえるなら構わないように思いますが、優越感からくる安心感は失うかもしれないという恐れと隣り合わせで、その場だけの一瞬のことでしかありません。
優越感を持つ人は、劣等感への恐れも常に合わせ持っていることになるのですよね。
劣等感に影響されない人
Aさんは、今までの経験から劣等感や優越感を持つということはそういうことになるのがわかっていました。
ですので、Aさんは
- 劣等感や優越感という概念を持たないと心に決める
- その部分では、相手と自分の考え方を否定も肯定もせずそっと見守る
このように対応し、自分と相手の感情をしっかりと分けて考えることができました。
優越感とは?
優越感とは、自分が人より優れていると感じていること。こちらも物事を勝ち負けで考えてしまうために、自分が相手より勝っていると感じた場合に起きる感情ですね。
優越感を持っている状態では、どのようなことが起きるのでしょうか。
優越感は周囲の人に劣等感を与える場合がある
自分の中で優越感に持っているとき、その状態だけで幸せでいられます。
ところが優越感の感情に気づいた周囲の人は、優越感を持っている人は周囲の人を見下していると感じてしまうのです。
優越感を持っている態度や行動は、劣等感を持っている人だけでなく、劣等感や優越感という勝ち負けに興味がなかった人にさえも挑発しているように見えるんですよね。
優越感を持った人に 周囲からすれば見下されているように感じる
優越感は、持ち物、才能、立場、状況など、考え方次第で簡単にどのようなことに対しても持つことはできます。
「私は、こんなにすごいのよ」という優越感の思いは、普通の人にはなかなか食べられない豪華な食事をした後のような、自分だけが特別な幸せを持てている気分にさせてくれます。
それは、他の人に伝わって結果として誰かに対して劣等感を与えてしまっていることになるのですね。
それは無意識にしてしまっていても周囲に対して見下している態度にも思え、中には劣等感を抱く人もいるということになります。
自分は隠しているつもりでも
- そのものを選択して手にしているのは、自分の意思でそうしていること
- 持ち物などが周囲の目に触れること
- そのことを持っている持っていない関係ななく、気にする言動が多いこと
このような理由から、周囲の人にその人が優越感、劣等感を持っていることは、わかってしまうのですね。
劣等感と優越感は どちらも人を悩ます原因となる
劣等感と優越感どちらも、結果的に人を悩ます原因になります。
劣等感や優越感を持っている時は他人を敵か味方か、上か下かで判断します。
劣等感を持つか優越感を持つかは、相手や状況によって変わってしまうことがあるわけです。目の前の相手が変わったり、見るポイントが変わったりすれば立場が逆転してしまうのです。
どちらの場合も結局はいつも身構えているような状態で、気を許すことができないんです。それはとても疲れてしまいますよね。
劣等感や優越感を持ち続けて行くことは、自信を持てないことや、誰かと比べることで起こる不安や恐れを抱えて生きていくことになるんですね。
実はその原因である不安や恐れを作り出しているのは、劣等感や優越感を刺激してくる相手ではなく、自分の心でした。
世の中 全体としてみてみると、先ほどのAさんのような人ばかりではありません。
どちらかというと、現代では劣等感や優越感という概念を持ってしまっていることは仕方がないことだと思います。
なぜなら、子どもの頃から誰かと競争させられたり、比べられたりしながら育ってきた人が多いのですから。
劣等感や優越感が、私たちに不安や悩みを抱えてしまう大きな原因となっているのは、間違いないでしょう。
まとめ
人と競争することで評価されることは、人と関わり合っていく社会に生きる以上、仕方のないことかもしれません。
そうやって「どのくらいできるか?」を評価することで、誰を選ぶかを決めることが効率的だという社会の考え方がより強くなってきているためでしょう。
できるだけ得意な人に、得意なことをやってもらいたいということなんですよね。
そういった評価が人に優劣の感情を与えることとなっているのでしょうね。
「人から比べられること」をやめさせることはできませんが「自分が人と比べること」をやめることはできます。
劣等感や優越感がひしめく社会にいながらも、自分はそれとは違った価値観のもとに生きていくことも「あり」なのでは?
そんな社会でいかに悩まずに自分らしく生きていけるかは、劣等感や優越感といった感情に振り回されない術を身につけられるかどうかにかかっているでしょう。